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もと @moto_ai_jp

第7部 グラフのあと(2026年のいま) · 第18回 / 全20回 · 15分くらい

部品を選ぶ。スキル・MCP・借りられる仕組み

スキル、MCP、マネージドのエージェント。2026年には、仕組みの部品が次々に「借りられる」ようになりました。この回では、何をどの部品にするかの選び方と、部品を組み合わせたときに生まれる危ない組み合わせを見ます。

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この回を読み終えると、できるようになること

  1. スキル・MCP・借りる仕組みの役割の違いを説明できる
  2. 「危ない3つの組み合わせ」を説明し、自分の仕組みにそれがないかを点検できる
  3. 借りるか作るかを、自分の仕事の中心かどうかで判断できる

専門用語は、初めて出たところで括弧に短い説明を付けています。説明が長くなるものには ※番号を付け、ページの終わりの用語メモにまとめました。

13つの部品の役割

部品役割窓との関係
スキル手順と知識をまとめた、必要なときに開く手順書ふだんは説明文だけ。呼ばれたら本文が入る(第7回)
MCP外のサービスやデータにつなぐ道具定義は必要なときに読む。使った結果は入る(第6回)
借りる仕組み作業場所・記録・再開・上限などを、まとめて用意してくれるサービスサービス側で管理される
サービスで借りられるようになった部品(2026年)📒 記録・再開3・4⏰ 定期実行4💰 予算の上限第13回✋ 使う許可第13回🧠 記憶・振り返り2📚 スキル(手順書)2それでも自分で決めることどの段が必要か/ゴールと合格条件/予算/触らせない場所/止め方
丸の中の数字は、講座で対応する世代です。新しいのは「借りられる」ことで、考え方は変わっていません。

2スキルは、誰が呼ぶかも決められる

スキルは、ふだんはAIが説明文を見て自分で呼びます。ただ、公開や送信のように、自分が頼んだときだけ動いてほしいスキルもあります。Claude Code では、スキルの設定に disable-model-invocation: true と書くと、AIが自分の判断で呼ばなくなり、自分がコマンドで呼んだときだけ動きます。

また、スキルの本文は判断のための手順にとどめ、変換や集計のような決まった処理は、スキルと一緒に置いたスクリプトに任せます。AIに毎回同じ計算を書かせるより、確実で、窓も使いません。

3危ない3つの組み合わせ

Simon Willison は、AIの道具について、次の3つがそろうと危ないと指摘し、「致命的な3点セット(lethal trifecta)」と呼んでいます。

  1. 自分の非公開のデータに触れられる(メール、ファイル、データベース)
  2. 信用できない内容を読む(他人からのメール、ウェブページ、外から来たファイル)
  3. 外に送れる(メールの送信、ウェブへの書き込み、外部へのリクエスト)

3つがそろうと、2の内容に仕込まれた指示(プロンプトインジェクション、第3回)で、1のデータを3の手段で外に送らされるおそれがあります。AIは、読んだ文章の中の指示に従ってしまうことがあるからです。OWASP※1も、AIのアプリの危険の1番目にプロンプトインジェクションを挙げています。

43つを1つの作業にそろえない

根本的な対策は、3つのうち少なくとも1つを、その作業から外すことです。

  • メールを読んで要約する作業には、送信の道具を渡さない
  • ウェブを調べる作業には、自分の非公開のファイルを読ませない
  • どうしても3つが要る作業は、送る直前に人の確認を挟む

つなげる道具が増えるほど、この組み合わせは気づかないうちにそろいます。MCP でサービスをつなぐときは、「読むだけで足りるか」「その作業に送信は要るか」を毎回確かめます。

5借りるか、作るか

借りれば、作る手間と直す手間が減ります。その代わり、費用がかかり、サービス側の都合で中身が変わります。目安は次のとおりです。

  • 自分の仕事の中心にあって、細かく変えたい部分は作る
  • 中心ではなく、どこで作っても同じになる部分(作業場所、記録、再開の仕組み)は借りる
  • 外に出せないデータを扱う部分は、手元で動く仕組みに残す

自分の環境では、個人の日記や考えのまとめを扱う処理は、外に出さないよう手元のAI(Ollama)で動かし、それ以外は借りられるものを借りる、と分けています。

6部品は増やすより、育てる

似たスキルが3つあるなら、1つにまとめます。使われていない部品は外します。部品の数ではなく、よく使う部品の質が、仕組み全体の質を決めると感じています。

外す前に、直近の会話の記録から、その部品が何回使われたかを数えると判断しやすくなります。0回なら、まず無効にして2週間ようすを見ます。(サービスの内容は2026年10月時点の情報で、変わることがあります)

誤解よくある思い違い

読むだけの道具なら、つないでも安全

読んだ内容に仕込まれた指示で、別の道具(送信など)を使わされることがあります。危ないのは道具1つではなく、組み合わせです。

スキルは、AIが必要なときに自動で呼んでくれるほうが便利

公開や送信のように、自分が頼んだときだけ動いてほしいスキルもあります。誰が呼ぶかを決めておきます。

演習手を動かして確かめる

演習1

次の作業のうち、「危ない3つの組み合わせ」がそろっているものはどれでしょうか。

  1. 受信メールを読んで、返信の下書きを作り、そのまま送信する
  2. 自分のメモを検索して、今日の予定と合わせて要約する
  3. ウェブで調べた内容を、自分のブログの下書きフォルダに保存する
答えを見る

1がそろっています。他人からのメール(信用できない内容)を読み、自分のメールボックス(非公開のデータ)に触れ、送信(外に送る)ができます。送信の前に人の確認を挟むか、下書きを作るところで止めます。

2は、外から来た内容も外に送る手段もないので、そろっていません。3は、信用できない内容(ウェブ)を読みますが、非公開のデータには触れず、外にも送らないので、そろっていません。ただし、下書きフォルダが自動で公開される作りなら、3つ目がそろいます。

頼み方そのまま使える頼み方の例

自分の仕組みで使っている部品を、「作ったもの・借りているもの・つないでいるもの」に分けて一覧にしてください。
そのうえで、1つの作業の中で次の3つがそろっているものに印を付けてください。
1. 非公開のデータに触れる
2. 信用できない内容(他人のメール、ウェブ、外から来たファイル)を読む
3. 外に送れる
印を付けたものについて、どれか1つを外す案か、人の確認を挟む案を出し、変更はせずに止まってください。

用語メモ本文の ※番号の説明

  1. ※1OWASP ソフトウェアの安全性について、誰でも使える資料や道具を作っている非営利の団体。AIのアプリについても、よくある危険を順位付けした一覧を公開している。 本文へ戻る ↩

出典確かめた資料(2026年10月時点)

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