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もと @moto_ai_jp

第8部 まとめ · 第20回 / 全20回 · 15分くらい

仕組みを棚卸しする。減らすところまでが設計

最終回です。作ってきた仕組みを一覧にして、1つずつ点検します。実践編でいちばん大事なのは、増やす判断より、減らす判断かもしれません。この回では、点検の物差しを決め、実際に減らすまでの手順を作ります。

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履修 0 / 20 回

この回を読み終えると、できるようになること

  1. 5つの段と、それぞれの歯止めの場所・確かめ方を、まとめて説明できる
  2. 自分の仕組みを、6つの質問で点検できる
  3. 「止めてみる → ようすを見る → 消す」の手順で、仕組みを安全に減らせる

15つの段のおさらい

段歯止めの場所この講座で扱った確かめ方
第1 プロンプトことば仕様書として書く、出力の形を決める、何回か試して原因を切り分ける
第2 コンテキストファイル窓の中身を知る、3段に分ける、古い前提を減らす
第3 ハーネス検査フック、評価セット、わざと失敗させて検査を確かめる
第4 ループ時間5つの部品、「最後にうまくいったのはいつか」の見張り
第5 グラフ構造窓を分ける、受け渡しの形を決める、費用を見積もる

そのうえに、流れをAIに組ませる、何日も続く作業を任せる、部品を借りる、という2026年の仕組みが乗っています。

1 プロンプト指示の書き方2 コンテキスト前提をファイルに3 ハーネス自分で確かめる4 ループくり返す5 グラフ判断を構造にいま2026年上に行くほど、扱える仕事は複雑に。同時に、作る手間も増える→ 全部のぼる必要はない
上の段がえらいのではなく、複雑になるだけです。自分に必要な段で止まって大丈夫です。

2棚卸しの6つの質問

仕組みを1つずつ、次の6つで点検します。

  1. どの壁のためにあるか
  2. どこで歯止めをかけているか(ことば・ファイル・検査・時間・構造)
  3. 合格をどう測っているか
  4. 止め方を説明できるか
  5. 壊れたら気づけるか(「最後にうまくいったのはいつか」がわかるか)
  6. 最後に役に立ったのはいつか

たいてい、①止め方がない、②壊れても気づけない、③もう役に立っていない、のどれかが見つかります。自分が72本の定時ジョブを点検したときは、5か月間一度も動いていなかったバックアップ、入力が来なくなって空回りしていたジョブが3本、どこにも使われていない仕組みが見つかりました。

36つ目に答えられないものは、まず止めてみる

最後に役に立ったのがいつか思い出せない仕組みは、消す前に止めてみます。手順は次のとおりです。

  1. 止める(消さない)。設定ファイルは残し、元に戻す手順を書いておく
  2. 1か月ようすを見る。困ったら戻す
  3. 困らなければ消す。消すときは、何が・何件・元に戻せるかを確かめ、控えを取ってから

消せないものは、消せない理由を1行書いておきます。次の棚卸しのとき、同じことを考え直さずにすみます。

4止めたものは、見張りからも外す

止めた仕組みを見張りに残しておくと、毎朝「失敗」「未実行」と知らせ続けます。第13回で見たとおり、誤報は本物の失敗を読み流す習慣を作ります。

止めるときは、見張りからも外す手順をセットにします。自分の環境では、引退させたジョブに印のファイルを1つ置くと、見張りと一覧の両方から外れるようにしました。印を消せば元に戻ります。

5迷ったときの3つの質問

新しく作るかどうか迷ったときは、入門編と同じ3つの質問が使えます。

  1. これは何回くり返す仕事か
  2. 失敗したらどれくらい困るか
  3. 止め方を今説明できるか

3つ目に答えられないなら、まだ作りません。作ってしまったなら、まず止め方を足します。

🔢何回くり返す?少ないなら作らない💥失敗したら痛い?痛いなら確かめる仕組みを🛑止め方を説明できる?できないなら、まだ作らない壁がないなら、のぼらない。上の段は正解ではなく、複雑なだけ
この3つで、たいていの判断はつきます。

6棚卸しを、決まった時期の仕事にする

棚卸しは、思い立ったときにやると続きません。3か月に1回、のように時期を決め、6つの質問の表を作る作業そのものをAIに頼めるようにしておきます(下の頼み方の例)。表を作るのはAIに任せ、止めるか残すかを決めるのは自分です。

第1回で計算したとおり、仕組みが増えるほど「どこかが壊れている」のが普通の状態になります。減らすことは、残った仕組みを確実に動かすための、いちばん安い手です。

誤解よくある思い違い

作った仕組みは、残しておけばいつか役に立つ

残しておくだけで、壊れる場所と見張る手間が増えます。止めてようすを見て、困らなければ消します。

止めるのは、消すのと同じくらい怖い

止めるだけなら、設定を残しておけばすぐ戻せます。消すのは、止めて困らないことを確かめてからで十分です。

演習手を動かして確かめる

演習1

自分の仕組みを1つ選び、6つの質問に答えてください。答えられなかった質問は、どれでしたか。

答えを見る

答えは仕組みによって違います。答えられなかった質問ごとに、次の一手が決まります。

  • ③(合格の測り方)→ 第10回の評価セットを作る
  • ④(止め方)→ 止めるスイッチを足す(第13回)
  • ⑤(壊れたら気づけるか)→ 「最後にうまくいったのはいつか」の見張りを足す(第13回)
  • ⑥(最後に役に立った日)→ 止めてようすを見る候補にする

頼み方そのまま使える頼み方の例

自分の自動化・仕組みの一覧を、次の6つの質問で点検してください。
① どの壁(再現しない・確かめられない・続かない・気づかないうちに壊れる・前提が古くなる・作りすぎる)のためにあるか
② どこで歯止めをかけているか(ことば・ファイル・検査・時間・構造)
③ 合格をどう測っているか
④ 止め方は説明できるか
⑤ 壊れたら気づけるか
⑥ 最後に役に立ったのはいつか(記録や成果物の更新日から)
表にまとめ、「止めてみる候補」と「止め方・見張りを足す候補」に分けてください。何も止めずに、表を出したら止まってください。

仕組みの一覧:(名前・何をするか・いつ動くか)

この実践編は、自分が作りすぎて、壊して、減らしてきた記録でもあります。仕組みは、作った日より減らした日のほうが、ずっと軽く感じました。自分もまだ、その途中にいます。

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